新年度に入って2週間。

新年度に入って2週間。とりあえず学内をいろいろ巡って人と会ったり、仕事をしたり、観察したり、しています。

通勤には慣れてきました。石橋駅から豊中キャンパスに歩くので、おおむね10000歩以上歩く生活です。一時期78キロまでいった体重は、73キロで安定。もう3キロくらいやせたいけど。なにか運動はしないとね。

昨年くらいから、朝目が覚める様になってきたこともあり、生活も超夜型から、やや夜型くらいになってきました。

淡路に引っ越して、豊中キャンパス、吹田キャンパス、京都外大、新幹線、伊丹空港、と、どこへも30分~1時間ということで、便利です。商店街のある生活もいいですね。

家の周りはあまりいろいろ出かけてないのですが、上新庄の方など、飲み屋などいろいろあると聞いたので、また探索に行きたいところです。

ただ、家も研究室も、荷物を出して、そのままの最低限の設備で生活しているので、いろいろそろえていかないと、です。ただ、生活できてしまうと、そのままになるんだよなぁ、、、。家の方は、ほんとにやばそう。

1つ困っているのが、家の近くや通勤経路に本屋がないこと。まあ、ちょっと足を伸ばして梅田に出ればいいのですけど、わざわざ感があるんですよねー。まあ、それも慣れるかな。

 

着任の抱負というか、思いというか。

大阪大学全学教育推進機構教育学習支援部に着任して、1週間を過ごしました。

大学院を出てから京都外大に17年間勤めていたので、中規模の私立文系単科大学から、大規模の国立総合研究大学に移ったことになります。さらに、研究科や学部の所属ではなく、機構の教員なので、業務もだいぶ異なります。改めて、状況は大きく変わったなぁ、と思います。手探りな毎日です。幸い、いい同僚に囲まれて、大変過ごしやすいです。

今までであれば、大学全体のことはおおむね把握できましたし、教員も100名強、職員も100名強?くらいだったので、大体の人とは少しくらいは話したことがありました。だから、なにかわからないことがあったときに誰に聞けばいいか、というのもなんとなく分かっていました。

大阪大学だと、教員だけでも3000名以上いるそうで、そりゃまったく会わない人もいますね、という感じです。1週間、いろいろな人にあってお話聞いてみましたが、大学のカリキュラムや制度もさまざまで、やっていることもたくさんあるので、全体を大まかにでも把握していくのがなかなか大変そうです。

もともと着任しての抱負を書こうと思っていたのですが、1週間過ごしてみて、いきなり「私はこれをやります」と言うのは、ちょっと難しいかも、と思いました。なので、現時点での思いを書いておきたいと思います。

教育学習支援部は、2013年6月に教育学習支援センターが設立され、2016年4月に全学教育推進機構に改組されてできたわけですが、この6年で、さまざまな活動、実績を積み重ねてきています。大学にとっても、ものすごく有効だと思います。

https://tlsc.movabletype.io/

まずは、教育学習支援部の教員として、これら活動にしっかり関わるとともに、学内外への広報をしていきたいと思っています。

次に、全学教育推進機構の教員として、全学教育(豊中キャンパスでの1年生、2年生前半の授業)への貢献が求められると思います。2019年度からスタートする、1年生春・夏学期の必修科目「学問への扉」(愛称「マチカネゼミ」)をはじめ、さまざまな授業が行われます。いい形で支援していきたいと思います。

https://www.celas.osaka-u.ac.jp/education/gakumon/

大学全体には、どのように関わっていくのか、まだ分からないところも多いのですが、教育・学習の支援に関連する形で研究支援のことを検討したり、研究者として研究プロジェクトに関わったりすることができるのかな、と思っています。

現状では、これをしたい、という具体的なことははっきり言えない感じですが、着任するにあたって一番重要だと思っているのは、教育学習支援部、全学教育推進機構、大阪大学の役に立ちたい、ということです。

私は大阪大学の出身ではないので、大阪大学に着任するにあたり、少し心配なところもありました。ただ、今年に入って報告していく中で、大阪大学出身の研究仲間の方々が「おめでとう」と言ってくれたのが、とてもうれしかったですし、ほっとした気持ちになりました。

早く大阪大学の一員として認めてもらえるように、がんばっていきたいです。

 

大阪大学全学教育推進機構教育学習支援部への着任のご報告

2019年4月より、大阪大学全学教育推進機構教育学習支援部に教授として着任いたしました。4月1日に辞令交付として、労働条件通知書をいただいてきました。

教育学習支援部、全学教育推進機構、大阪大学の一員として、研究、教育、サービスに従事していきます。

大阪大学の教育・研究の発展のため、日本の高等教育の発展のために、力不足ではありますが、尽力していきたいと思っております。今後ともご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

2018年度も終わりとなりました。

2018年度も終わりとなりました。

この1年、ほんとにいろいろなことがありまして、大学が変わることになるなど、転機となる1年となりました。人生を振り返ったときに2018年度はいい1年だった、と思えるように、これからもがんばっていきたいです。

40代前半、いろいろできていないことが多かったので、少しずつ挽回していきます。

45歳になりましたが、新しいことをいろいろ経験する機会もありました。まだまだ未経験なことがたくさんあるということも分かったので、またいろいろ挑戦していきたいです。

明日は新元号も発表されますね。みなさんにとって、2019年度もいい年になりますように。

溝上さん@桐蔭学園の最終講義的な講演を聞いて

第25回大学教育研究フォーラム@京都大、2日目。午前の一般研究では、齋藤さん@大阪大、佐藤さん@京都産業大などの発表を聞きました。

溝上さん@桐蔭学園の特別講演「教育を捨てて教育に戻れ!-大学の授業研究からトランジションをにらんだ生徒学生の学びと成長へ-」。溝上さんの京大におけるインフォーマルな最終講義、っていう感じですかね。1999年から溝上さんとはいろいろお世話になっているので、20年来のつきあいとなりました。

asagao-MLの開設にあたってはお手伝いしたのをなつかしく思い出しました。また、溝上さんが、公開実験授業で授業中の顔上げ行動を分析していたのですが、その情報収集を自動化できないかということが、私の研究のきっかけでもあります。

今回、一番印象的だったのは、溝上さんがいろいろな授業に取り組んでこられたけど挫折してきた大きな理由として、ねらいを持って負荷の高い授業をしていくと、意欲の高い学生が集まってくる、というジレンマでした。こなくてもいい(すでにできそう)学生がやってきて、きてほしい学生がなかなかこない。こういうことよくありますよね。

また、「学生のトップ層を指して「うちの学生は」というのはおかしい。中間層をターゲットにして、大学全体の教育を変えていくには、カリキュラム、授業そのものを変えていく必要がある」ということも指摘されていました。すごく同意です。それでは、その大学の中間層、大学全体を変える話につながらない、ということになってしまいますよね。

個人的に、オナーズプログラム的なものが好きではないのですが、上位層を競争的に選別して授業していったところで、大学全体に波及しない可能性が高い、と考えるからです(もちろん、学科を分割して、その学科全体でやるのであればいいと思います)。

カリキュラムの重要性、教員全体の授業をよくしていく、ということ、大学全体でやっていかないとですよね。そういう点では、初年次教育の重要性はどんどん増していくだろうな、と思います。

溝上さんが桐蔭学園の紹介で、小学校での授業見学や幼稚園に訪問されたことなど、楽しそうに話しているのを見た、よかったな、と思いました。4月から新しい立場になるということで、さらなる活躍を期待しています。最後に少しお話できてよかったです。

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午後はシンポジウム「高校から大学、大学から大学院、大学から社会へのトランジション」。まずは北野先生@京都大学「高大・大大・大社について」。大大接続、とは、大学と大学院の接続のことです。京都大学では「もっと博士を!」という目標があるとのこと。現状、なかなか厳しいですよね、、、。IRなどデータに基づいて、支援していきたい、というお話がありました。「開放系としての大学」で考えることも指摘されていました。

高橋さん@立教大「大学から社会へのトランジション―『自分から動く』『考える』『人と連携する』力を高める―」。社会へのトランジションの難度が上がっていることを指摘した上で、BLPの実践を紹介しながら、リーダーシップの変化、学生が自分で動ける、自分で演出できるようにしていくことの重要性について説明されました。そうだよなぁ、と思いながら聞きました。

山田くん@京大「トランジションをどう理解し、学校教育の中に位置づけるか」。トランジションを幸福度、ウェルビーイング、エンゲージメント(関与)と関係づけながら、説明してくれました。やはり最後の”適切な”関与、ってどうしたらいいのかな、と考えさせられました。低関与がだめなのはわかるけど、だからといって高関与になったら学生は関与がない状況になったら動けなくなるわけで、ということですものね。これまで悩んできたことが改めて言語化されたな、という気持ちでした。

2日間、充実したフォーラムとなりました。800名もの参加があったそうで、本当に運営する京都大学高等教育研究開発推進センターのみなさんに心から御礼申し上げます。

第25回大学教育研究フォーラム 企画セッション「教員・学生の学びと成長を考える ―その組織的・個人的実践に向けて―」

京都大学高等教育研究開発推進センター主催の第25回大学教育研究フォーラムです。午前の一般発表が2日間とも15パラ、ポスターセッションが118件、と、とてつもなく発表数が増えてますね。。。大学のセンターがやっていますので、本当に運営は大変だと思います。お疲れ様です。

午前は一般発表。初年次教育、ライティング系のセッションに参加。昼食は企画セッションの打ち合わせ。午後、ポスターセッション。

企画セッション「教員・学生の学びと成長を考える ―その組織的・個人的実践に向けて―」。総括コメントとして、4人の発表者の内容についてコメントして、今後の発展をふくめて15分でまとめる、というなかなかの指令をいただきました。

畑野くん@大阪府立大の趣旨説明。学生の成長・学びに加えて、教員の成長・学びに着目すること、そして、教員と学生とのインタラクションを通した学びを含めた枠組みを提示して、授業の中での成長、授業を超えた成長について考えていく、ということでした。

大山さん@大阪大学「持続可能な教授活動の改善を目指した大学教員の省察」。大学教員における省察の重要性、教育活動における個別の文脈の重要性について話をした上で、省察の枠組み・ステップを示し、実践例を紹介してくれました。教員が学生が理解していないことを理解できた点や、短期的な課題(技術)と長期的な課題(研究との関わり)の発見などが成果としてあげられていました。

畑野くん@大阪府立大「学生の主体的な学修態度の形成と促進に関する実証的研究」。主体的な学修”を学修時間(量)と主体的な学修態度(質)に分け、“主体的な学修”を評価する尺度を開発し、枠組みを構築したこと、要因の関係性について分析した内容について話してくれました。

舘野くん@立教大「リーダーシップ教育を実施する主体に求められるリーダーシップ」。立教大学における初年次教育でのリーダーシップ教育(BLP)において、理論に基づいて組織的にできるように設計、実践しているお話をしてくれました。教員・学生スタッフのメタ経験学習型リーダーシップ教育を行っていることになり、授業やスタッフ活動を通して、学生コミュニティが形成されていることが紹介されました。

伏木田さん「ゼミナールは、誰にとっての学びの場なのか -教員と学生が探究することの価値」。学生・教員にとっての魅力的なゼミナールの要因を検討しており、学生がどのような意識でゼミを選択し、学んでいるのか、教員によるゼミのデザインが学生に与える影響、などについて説明されました。”自由な試行錯誤と繰り返しの葛藤”というのが印象的でした。

あと、私のゼミ生がうちを選んだ理由もわかった気がしました(笑)。ちゃんとあってる先生を選んでるよね。

話を聞きながらがんばってまとめました。総括として、個別にコメントした上で、今後の展開として
・教員-学生のインタラクションによる学び・成長(成長による相互への影響)
・組織としての成長・学び
・研究成果の日常的な実践への活用
に着目するといいのかな、という話でまとめました。

30代の4名の研究の話を聞いて、とても楽しかったですし、刺激を受けました。私も4月からしっかり研究していきたい、と思いました。京都外大の教員として、対外的には最後の仕事となったので、この仕事で終われてよかったですし、誘ってもらえて本当によかったな、と思います。

今回使った”センスのいい扇子”ですが、先日購入した、京都外大の扇子なのです。もっと前から知ってたらもっと使ってたのになぁ。

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私も、京都外国語大学を卒業しました。

昨日の京都外国語大学の卒業式で、17年間勤めた京都外大への最後の出勤日となり、私にとっても卒業式となった日でした。退勤時には、各部署にご挨拶させていただきました。

2002年に就職した際、学内外の先生から「5年は勤めてね」という感じのことを言われていたのですが、居心地もよく、17年勤務することになりました。教える環境としてよかったことに加え、5年で准教授に昇進できたこと、なにより2008年からゼミを担当するようになったのが、大きな要因になったな、と思います。

ゼミを担当したことは、私の心の拠り所になりました。ゼミには留年生や卒業の危うい学生も多く、話すのが苦手だったりする学生も多かったのですが、そういう学生が自分の興味あることを調べて発表してくれるようになっていく姿を見るのが楽しくもありました。ゼミがなかったら、もっと早く異動していたんじゃないかな、と思います。

マルチメディア教育研究センター(2003年~2017年)をはじめ、FD委員長や教育関係の競争的資金関係(特色GP、現代GP、APなど)など、いろいろな仕事もさせていただきました。教養教育の教員はもちろん、語学科の教員、いろいろな部署の職員さんとも一緒に仕事ができて、とてもいい経験になったと思います。

国立大理系の大学院生から、理系というレベルで私1名しかいない私立文系大学に就職して、最初はとまどうことばかりだったのですが、教職員のみなさんに助けていただきましたし、なにより学生が純粋で真面目ないい学生ばかりだったので、授業が楽しかったのも、ありがたかったです。

正直、大学を異動することについては、以前からの悩みでもありました。周りからは「異動しないの?」と聞かれることもありましたし、研究者としてどう生きていくかという悩みはありました。対して、家庭の事情もありましたし、異動したら大学に迷惑をかけることになるのでは、という気持ちもありました。自分自身が保守的で執着心が強いタイプでもあるので、なかなか決断できなかったのですが、現状を踏まえた結果、今回縁あって異動することになりました。

教授会の挨拶でもお話したのですが、京都外大の学生や卒業生のみなさんには、京都外大を卒業したことに誇りを持ってほしい、ということを機会あるごとに言ってきました。私も京都外大で勤めてきたことの誇りを胸にして、これからの大学教員人生を歩んでいきたいと思います。