立教大学BLPを見学して、ただただ感心する

すっかり遅くなってしまいましたが、5/30(火)に立教大学のBLP(Business Leadership Program)を見学してきました。

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cob.rikkyo.ac.jp

2015年の大学コンソーシアム京都主催のFDフォーラムのシンポジウムで、日向野先生@早稲田大に登壇して話題提供していただいたりして、取組は以前から知ってはいたのですが、実際に見学は初めてでした。

www.consortium.or.jp


京都外大にコミュニティ・エンゲージメントセンターという組織ができまして、私は何も関係していないのですが、そこに所属している職員がいろいろ困っていて、相談に乗っていた際に、いろいろ情報提供してあげたうちの1つがBLPでした。それで、同行した方がいい、ということになり、せっかくの機会だし、授業や他の予定を調整して休講にして行くことにしました。

www.kufs.ac.jp


日向野先生の著書や発表、館野くん@立教大学のブログや話などから、知ってはいたつもりでしたが、やっぱり実際に見てみると、ほんとにすごいな、と思いました。

 

大学教育アントレプレナーシップ―新時代のリーダーシップの涵養

大学教育アントレプレナーシップ―新時代のリーダーシップの涵養

 

 

まずは昼休みに、教育研究コーディネータの加藤さん、島田さんから、BLP参観についての説明を受け、アテンドとして3名の学生がついてくれ、2つのグループに分かれて見学することになりました。

3限はBLP0の授業見学。BLP0(リーダーシップ入門)では、産学連携型PBL(Project-Based Learning)の形式で、経営学部の1年生400名程度が対象の必修クラスで、1クラス24名程度に分かれ、その中で5名前後のグループをつくり、課題に取組、コンペ形式でプレゼンを行います。18クラス開講となります。

今年は株式会社ビームスと連携して「プロジェクト課題に取り組むことで、リーダーシップを学ぶ」という授業目標のもと、「メンバーの誰かがジブンゴトとして捉えているテーマを1つ選んで、BEAMSができることを提案せよ」という課題について取り組んでいるそうです。

今回は7回目の授業で、中間ポスター発表を終え、プロジェクトを図式化していくフェーズでした。45分ずつ、2つのクラスを見学しました。各クラスに1名ずついるSAが、基本的には授業を進めていきます。他に、2クラスに1名、6クラスに1名、それぞれCA(Course Assistant)がいて、包括的な視点でクラス運営を支援していました。SA、CA、アテンド、すべて2年生だそうです。2クラスのSAを見ましたが、本当にどちらもしっかりしていて、感心しました。

最初の高橋先生のクラスでは、最初に「BEAMSならでは?」という問いに対してそれぞれのグループが発表して、グループワークに入ったのですが、高橋先生の介入具合が抜群で、すごいな、と思いました。少し足りないな、というところで、具体的な内容を聞く発問をし、学生から意見を引き出した上でポジティブなフィードバックを返していて、学生も積極的に考える方向に進むんじゃないかな、と思いました。

2クラスのグループワークの雰囲気もそれぞれ違っていて、後半のクラスでは、ホワイトボードを前にして、各グループが立って議論していました。活発な感じがしてよかったです。基本的な方針は決めつつ、教員の自由度もある程度許容する感じになっていて、とても参考になりました。

4限の前半は、教員、SA、CAが集まり、館野くん仕切りのもと、教員SAミーティング。6名程度のグループに分かれ(10くらいあったかな?)、SA、CA、教員、参観者がそれぞれ報告、意見、感想などを共有し、Google Documentで各グループが議事録を記入して共有。その後、全体での確認、次回の授業の進行について担当のSAが説明。今は、各回の授業について担当のSAを決め、館野くんと相談しながら、授業進行、授業資料の作成を行うそうです。学生の関与度を高めているのはすごいですね。あと、授業資料に、今回の授業と15回の授業のスケジュールがこまめに確認されるようになっているのもすばらしいな、と思いました。

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後半は、アテンドの学生による自分のBLPを通しての学びについてのプレゼン、見学したクラスのSAからの説明、質疑応答がありました。2年生でしたが、すでにしっかりとしたリフレクションを行っていて、自分なりにリーダーシップについて語ることができ、感心しました。全体的に、だいぶ前のめりだな、とは思いましたが(笑)、その点も理解した上でバランスとるように心がけていて、なかなかやるな、と。立教大学経営学部への帰属意識をものすごく高める、すばらしいプログラムになっているな、と思いました。また、学生の行動や発言そのものがBLPの教育成果として見える形になっているのもいいな、と思いました。

順序逆になりますが、5限の後半にはGLP(Global Leadership Program)の授業を少し見学しました。こちらは全学共通科目として、世界標準のリーダーシップを育成することを目的とした科目群で、今回はGL101でしたが、GL202からは英語での授業となるそうです。

立教大学グローバル教育センター - GLP

 

5限の前半に、館野くんと少しお話。運営や教員の配備などについて話しました。教員研修はほとんど行っていないそうで、担当教員の半分が立教大学経営学部、半分が非常勤講師、ということで、非常勤講師の選定がポイント、ということでした。まあ、そうなりますよね。私も4年前まで京都外大の初年次教育科目「言語と平和Ⅱ」の責任者をやっていたときは、同じ意識でした。実際、私も、これだけの資料があれば、すぐ授業できるな、と思いましたし、そう思ってやってくれる人を見つけるのがポイントですね。

対して、館野くんや高橋先生のように、こういった運営を回せる人、2年生のSAなどのスタッフを育成できる人、をどうやって探してくるのか、どうやって育成していくのか、というのが大きな課題だな、とも思いました。私自身はがんばればできるな、とは思いましたが、他の人にこれをやってもらう、となると、どうしたらいいのか、なかなか悩ましいな、と。この辺はコミュニティ・エンゲージメントセンターでしっかり考えて、取り組んでいく必要がありますね。私がやるわけじゃないですし。

また、BLPも400名と対象とした必修の初年次教育であることから、京都外大の初年次教育科目「基礎ゼミナール」「言語と平和」でも参考になることはたくさんありました。こういった情報は、教職員に広く知ってもらうようにしていきたいと思います。

立教大学BLPは、日向野先生が中心となって立ち上げ、パワフルに突き進み、それを館野くんの教育工学的、高橋先生の論理的な視点を加えながら、発展させている、という感じなのかな、と感じました。それぞれの先生の特性を活かしながら、いい形でプロジェクトとして運営されていて、すごいな、と思いました。何回も言っちゃいますけど(笑)。

自分もちゃんと学ばないと、ということも思いました。

最後になりましたが、立教大学経営学部BLPのみなさま、ありがとうございました。