大学進学における階層再生産と「のしあがり」

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私は、ここでいう「第一世代」(両親が大卒ではない)学生です。1973年生まれ、1993年大学入学(1年浪人)なので、大学入学はもう25年前ですが、京大に入った時に、まわりの金持ち具合、世界の違いにびびったことを思い出します。とはいえ、それでも当時はまだ貧乏学生も一定数はいたよな、と思います。

この記事では、”親の所得が下位20%の低所得層出身の若者が、32-34歳になった時点で上位20%の高所得を稼ぐようになる”ことを階層上昇(のしあがり)と呼んでいます。私の場合、33歳くらいだと、どうかなと思います(大学教員として勤めはじめたのが28歳なので)が、今だとたぶんあてはまってるのかな、と思います。

ただ、今の時代だと、上位国立大学に入る親の学歴や年収が高い割合はどんどん増えて、こういう「のしあがり」できる確率は下がってるでしょうね。階層再生産が強化されているでしょうし。うちの大学でも、両親が大卒、という割合は増えていってるでしょうね。

その一方で、学費、生活費が大変で、バイトにあけくれる学生、というのも増えてきていると思います。

いつも思いますが、つくづく自分はラッキーだったな、と感じます。京都に来て、ずっと公立でいける大阪じゃなかったら、多分しんどかったな、と。今、いろいろな地方にいきますが、その大変さも感じます。

最近、生活保護の問題(基準の引き下げ)などもとりあげられていますが、もっと教育・学習を支援する世の中になっていくことを願います。

この記事の最後の文章には、本当に同意で、大学生の学力が落ちている、問題だ、みたいなことを言う人も結構いるのですが、世の中の半分以上は大学に行ってないわけで、有識者こそ、そのことを踏まえて、世の中をよくしていくことを考えないといけないのでは、と思います。

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だが、4年制大学への進学率が53%程度で、18歳のほぼ半数は大学に行かない現状を忘れてはならない(学校基本調査)。また、ここではとりあげなかったが、地方によって大学進学率にかなりのバラつきがあること、そして、一流大学の多くが大都市圏にあり、都市圏に住まない高校生が大きなハンデを負っていることも社会的に問題だ。

今後は女子学生比率だけではなく、大学生の「経済的多様性」や「出身地多様性」を無視していては、大学は階層固定(階級再生産)の手助けをしているとみなされかねない。こうした指標も同じように重視し、何らかの対策をとる必要にいずれ迫られるだろう。
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