研究とは何か?/野村康「社会科学の考え方 ―認識論、リサーチ・デザイン、手法―」

8/20のお話。夏休み中も2日ほど大学に行きましたが、今日から完全に事務なども通常業務。

8/30まで出張続きで大学に来れないので、午前は事務仕事。

昼前から学生の就職相談。キャリアセンターは研修で窓口業務は休みだったので、職員にお願いしてつないでおく。

勝又さん@関西学院大学とネットでミーティング。うまくいくといいのですが。

その後、研究室に遠海さん、嶋田さん@東北学院大が来て、研究ミーティング。対面に限らず、久しぶりだったので、4時間ほどみっちり(笑)。がんばれ、若者。議論したおかげで、私もちょっとは戻ってきたかしら。

後半は「研究とは何か?」みたいな話。難しいですね。

以前、うちわの研究会で、野村康「社会科学の考え方 ―認識論、リサーチ・デザイン、手法―」を読みました。社会科学に限らず、大学院生など研究に関わる人は読むといい1冊だと思います。

社会科学の考え方―認識論、リサーチ・デザイン、手法―

社会科学の考え方―認識論、リサーチ・デザイン、手法―

 

第Ⅱ部「社会科学のリサーチデザイン」、第Ⅲ部「社会科学の手法」は、量的研究、質的研究も含め、どの分野でも研究者としてはおさえておくべき話かな、と。

興味深かったのは、第Ⅰ部「社会科学の認識論」第1章「認識論」。その時のレジュメを参考に。

存在論:基礎づけ主義、反基礎づけ主義
認識論:実証主義、批判的実在論、解釈主義

<基礎づけ主義>実証主義  批判的実在論 
                   解釈主義<反基礎づけ主義>

著者は「存在論や認識論は、抽象的で理解し難いかもしれないが、研究者が自分の存在論・認識論的立場を意識することは自らの研究の土台になる。その意識なくしては一貫した手法を選択できず、方法論的に矛盾する研究になりかねない。」(p.34)、「また、異なる存在論的・認識論的立場を折衷することはできないことには留意が必要である」(p.36)と述べています。

さて、折衷できない、というけど、本当ですかね?と思ったのが、この時でした。p.36に「常に自らの存在論的立場や認識論的立場を、きれいにポジショニングできるわけではない。」としてバッファゾーンやグレーゾーンがある、とは言っているのですけども。

私は博士課程の時に、主査が情報工学、副査が教育哲学の研究者で、先生たちが真反対のことを言ってるように思えて、本当にしんどかった時期がありました。今思えば、それぞれ実証主義、解釈主義に基づく研究者だから、なのですが、私自身はこの両方をどうにかゆるやかにまとめられないか、と思ってたし、今もそう思ってるな、と。そこに自分の特性を出していけるといいな、と改めて感じました。難しいけどね。

そう思うと、もっと勉強しないといけないなぁ。理論苦手だし、、、。がんばらないと。