大森昭夫、成田秀夫、山本啓一、吉村充功 「今選ぶなら、地方小規模私立大学! ~偏差値による進路選択からの脱却~」

 

今選ぶなら、地方小規模私立大学! ~偏差値による進路選択からの脱却~

今選ぶなら、地方小規模私立大学! ~偏差値による進路選択からの脱却~

  • 作者: 大森昭生,成田秀夫,山本啓一,吉村充功,高見大介
  • 出版社/メーカー: レゾンクリエイト
  • 発売日: 2018/10/19
  • メディア: 単行本
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編者のみなさんで立ち上げられた「大学リーダーシップ研究会」で議論していく中で、でてきた4つの議題について、述べられています。

1)「偏差値教育」の崩壊
2)「まっとうな教育」をしている大学が選ばれる
3)教育改善には「組織開発」が不可欠
4)高校・大学・社会が連携した新しい「学びのカタチ」

個人的には、特に、2)、3)に興味があり、2)については広報の重要性、3)についてはガバナンス、マネジメントの重要性が問われるのだろうな、と思います。

巻頭の対談で、中原くん@立教大が「組織内政治をやりたくて研究者になった人は、ほぼいません。」(p.8)と言っているように、大学教員の多くは研究者志望であることから、この辺の問題はあります。ただ、大学も組織である以上、組織開発、組織内政治が必要ですし、その目的はあくまで教育や研究の改善・充実におかれることが大事だな、と思います。教員の意識をどうつくっていくのか、ということも大学の大きな課題ですね。

やはり、この本の魅力は、第4章から第6章に書かれている、北陸大学、共愛学園前橋国際大学日本文理大学の実践事例です。実際にどのように教育改善を組織的に行ってきたのか、ということが書かれていて、地方小規模私立大学だけではなく、どの大学においても参考になる知見が多く含まれていると思います。改革を推進する人や組織のマインドセットを把握、理解することができると思います。

私も今の立場でできることをやっていきたいと思います。