「プロって何?」とその難しさ

ゼミでは、卒論をはじめ、いろいろなテーマについて議論することになります。その中で、特に昨年、今年と話題になるのが「プロって何?」「職業としてなりたつのか」ということ、です。

たとえば、ゲーマー、声優、漫画家、ミュージシャン、小説家、などなど。プロという定義にはさまざまあると思いますが、基本的に「お金を稼ぐことができる」ことと考えます。スポーツ選手で考えれば、日本でプロとしてやっていけるスポーツは、バレーボールのVリーグや、バスケットボールのBリーグ、最近できた卓球のTリーグなど少しずつ広がってきていますが、まだまだかなり種類が少ないということになるでしょう。多くのスポーツ選手は、企業の社員として活動しているケースが多いですよね。

それで、プロ=「その仕事で生活していける」まで含むかどうか、は悩むところです。

例えば、声優で言えば、志望者は多いですが、声優の仕事だけで生活していける人はほんの一握りだそうです。そして、今の時代、小説家も小説を書くだけで生活できる人は、本当に少しだけ、ということになります。朝井リョウ氏のような作家でも、少し前まで兼業作家だったわけです。

芸人も、昨日、M-1で優勝した霜降り明星は若手で関西で人気もあり、これから一気にブレイクするでしょうが、前年優勝したとろサーモンなどは、それまで芸人としての仕事はほとんどない状態で、いろいろなバイトなどをして食いつないでいたわけです。でも、芸人。そして、M-1優勝で人生が大きく変わった、と言えるわけで、他に典型としては、サンドウィッチマンやバイきんぐ(キングオブコントでの優勝)などがいます。彼らもずっと”プロ”の芸人ではあったわけです。

いま、その仕事でどうやってお金を稼ぐのか、ということを考えることがとても難しく、大変になってきているな、ということを感じます。特にコンテンツ関係の仕事は特に。これはインターネットやデジタル化の普及によることが大きいわけですが、仕組みを考えること、プラットフォームを作ることが重要である、ということ。そして、違法も含めて、無料や安い値段ででコンテンツが流通、消費されてしまう、ということが問題になる、ということ。消費者優位になりすぎてしまい、コンテンツの作り手がなかなか得をしないシステムになってしまっている、ということかな、と思います。

今後は「複業時代」になっていくのだろう、と思いますが、「プロ」のあり方もどんどん変わっていくのだろうな、と思いながら、ゼミや授業をしています。

だいぶ、まとまりのない文章ですが、これから卒論を読んでいくので、とりあえず書いておきました。また、自分としても整理していきたいと思います。

ちなみに「プロの研究者」ってなんなのかな、ということもありますね。それもまた書いてみたいですね。