近藤史恵「ときどき旅に出るカフェ」
海外の珍しいメニューを提供する小さなカフェを舞台に、日常のちょっとした問題を解決していく連作短編集。
優しい雰囲気ではありますが、会社のトラブルとか家族の問題とか、ちょっとほろ苦な内容もあって、ついつい、ちょっと考えてしまうこともありますね。連作なので、最後に全体を通してなるほど、っていう話もあります。
主人公の瑛子、店主の円(昔の同僚)をはじめ、登場人物も身近にいそうな人たちです。円は月の最初の8日間、休みをとっていろいろな国にいき、新しいメニューを開発する、ということで、出てくる料理が、オーストリアとかロシアとか、私は知らないものばかり。こんなお店があったら、みんな行きたくなりそうですね。
近藤史恵さんの作品は、長編でも短編でも、一気に読ませる力があるよなぁ、と思いながら読んでしまいます。