昔より事件は減っているのに、なぜ増えているように感じてしまうのか?

10/31のお話、前半。

週末、泥のように眠ってしまったので、朝早く起きて(というか、夜眠れずに)大学へ。

たまっているメール返信にいそしむ。その後、教務系業務、事務仕事、授業準備。
午後、メディアセンター定例会議。なぜか、途中で電話がなりまくる。その後、しばらくいたら、たまたま電話に出れる人がいなかったので、電話に出てみる。仕事した感(笑)。

4限「言語と平和2」。平和とは何か?、平和ではない状態とは何か?について、キーワードを出してもらって、共有。そのあと、暴力について、直接的暴力、構造的暴力、文化的暴力の説明、分類。難しかったみたい。たしかにね。

興味深かったのは、グループ作業の中で、「治安のいい状態」みたいなのがいくつかキーワードに出ていて、話を聞くと「最近、ニュース見て、物騒って思うから、親も言うし」みたいな言動が出てきた。みんなそう思っているらしい。

しかしながら、犯罪件数や殺人事件は減っており、特に少年事件も減っています。

www.buzzfeed.com

 

「1960年前後をピークにして、少年による凶悪犯罪は減少傾向にありました。1990年代後半に、酒鬼薔薇事件などで少年が引き起こした凶悪事件が増えたと言われましたが、犯罪統計的にはまったくの誤りです。実際には減っていました」

「この10年、とりわけ直近5年の間に少年事件には大きな変化が生じています。少年事件全体でさらに減ったのです。子供の数が減ったというだけでは説明がつきません。人口比(少年1000人あたりの検挙・補導された人数)でも減っているからです」

と上記の記事でのインタビューには書かれています。

以前に比べて、事件が減ってる分、よりセンセーショナルにメディアが扱う、ということが起こっていて、印象操作?されている、ということが言えるかもしれません。

この点について、急遽、授業中に補足説明を入れました。学生にとっては、そうなんや、という感じだったようです。

年齢を重ねると、どうしても昔が良かった、という気持ちから、記憶をいいほうに修正する傾向がでてきますが(昭和はよかった、みたいな(笑))、暴力問題のみならず、ゴミのポイ捨てなどのマナー面でも昔より随分よくなっていることがわかります。

来週の講演などでも話をしようと思いますが、大人(特に有識者)は、きちんとデータに基づいた論理的な説明ができるようにしておく必要があるな、と思います。

その分、構造的暴力の仕組みがよりわかりにくくなっているところがあるので、この点をどうやって理解してもらうか、というのが難しいところだな、と授業をしていて、改めて感じました。