科研が書けん、と言うけれど、、、がんばって書きます。

「研究者 ”科研が書けん”と つぶやいて」 ともぞう 心の俳句

という秋の夜長、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

科研の学内〆切が終わったよ、という研究者も多くいらっしゃることかと思います。私のところは10/26に〆切があり、10月末にチェックできるという感じで遅めの大学になります。ということで、私は分担のものから関わっている、という感じです。

科研費というのは、科学研究費補助金の略で「人文・社会科学から自然科学まであらゆる分野における優れた独創的・先駆的な研究を格段に発展させることを目的とする研究助成費で、大学等の研究者又は研究者グループが自由な発想に基づき計画する基礎的な研究のうち、学術上特に重要なものを取り上げ助成する我が国の代表的な競争的研究費である。」(文部科学省)とあります。

研究計画などの書類を合計15ページ程度書いて、研究費をもらえるようにアピールするものです。だいたい30%ほどの申請が採択されます。

この時期になれば、研究費を確保するために、自分が中心となって研究計画を進める代表(個人、グループ)、グループのメンバーに入る分担、いろいろな研究計画にかかわります。この作業があるおかげで、研究計画を考えたり、グループで議論したり、予算の算段をしたりするきっかけとなります。

また、先日の教育システム情報学会の全国大会でもお話したのですが、広い分野の研究者に研究を理解してもらえるように意識して申請書を書くことが大事で、それはひいてはアウトリーチ活動にもつながっていくようにするべきだ、と考えています。

munyon74.hatenablog.jp

その一方で、授業などの日常業務の中で申請書を作成しないといけないため、忙しくなります。だからこそ「科研が書けん」などと言いたくなってしまうわけですね(苦笑)。

また、大学から安定してもらえる研究費が少なくなってきているため、科研費のような競争的資金を確保しないと、研究を行うこと自体が難しくなってきている、という問題があります。今は競争的資金の割合が増えて、研究の論文ではなく、しょっちゅう作文を書いています。「選択と競争」というと聞こえはいいですが、研究の場合、必ず成果が出ると限ったわけではありませんので、絶対に研究費を確保したい、となると、それようのテーマになってしまい、新しいものやとんがったものが出てきにくくなります。また、作文がうまいもの勝ち、といった側面も出てきます。

研究費に限った話ではないのですが、「選択と競争」の発想をもう少しゆるめて、落ち着いて使えるようになるといいな、と思っています。安定的な資金でできる研究、さらに挑戦的な研究を行うために競争的資金をねらう、ってなると一番いいんですけどね。

もちろん、そのためには、研究者がきちんと研究に関する発信をしていく必要があります。研究費として税金を使わせてもらっていることへの責任、恩返しをしていく意識(研究内容で直接恩返しする必要はない)が大事だな、と思います。

そんなことを思いながら、これから申請書を書いていきますです、はい。