原田まりる「ぴぷる」

ぴぷる

ぴぷる

 

2036年の京都を舞台にした、人型AIを妻にした男性、その人型AIを開発した女性研究者らを中心に、人間関係を描いたSFコメディ小説。

5/20に京都外大にゲスト講義に来ていただく原田まりるさんの新作小説です。

中心となるのは5人の登場人物なのですが、主人公の摘木健一のヘタレぶりと、AI研究者の深山楓の心理パターンに共感しつつ、読みました。私も深山氏みたいな考え、もともとあるんですよね。

SFコメディとはなっていて、お話としては読みやすいですが、AIとの恋愛・結婚だけではなく、複数のテーマがからまりあっていて、なかなか考えることが多かったです。

しかし、実際、AIロボットとの結婚とか恋愛とか、どうなりますかね。まあ、いまも2次元に恋をしている人もいるわけで、将来の話というわけじゃないかも、ですよね。

授業で「不気味の谷」を解説した後、「私もロボットかもしれないじゃないですか」「世界征服しに来ている宇宙人かもしれないじゃないですか(涼宮ハルヒの周りの人みたいに)」と言うのが鉄板で、いつも学生は”先生、おかしくなった”みたいな反応なのですが(笑)、区別がつかなかったら、どういうことになるのか、難しいかもですよね。

 

また、AIなどの作品、いろいろ読んでいきたいです。AIやロボットとの共存を考えた作品としては、まんがの「AIの遺電子」が秀逸だと思います。