授業設計では「自分が学生だったら」とは考えない。
時々、大学の教員が「今の学生はこういうのも知らない」と言っているのを聞いたり、書いているのを目にしたり、することがあります。そういう発言自体が、ブーメランで自分の授業力の問題を浮き彫りにしてしまっている、と言えるかもしれません。
日本教育工学会のFD研修会のテキストには
「昔の学生と同じと思っていませんか? 教える学生のことを理解していますか?」
とあります。
大学授業改善とインストラクショナルデザイン (教育工学選書II)
- 作者: 日本教育工学会,松田岳士,根本淳子,鈴木克明
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2017/03/30
- メディア: 単行本
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授業を設計する際には「入口」をしっかり把握すること、つまり、授業を受ける学生の状況を理解することが重要になります。
私自身、気をつけていることの1つに、「自分が学生だったら」とは考えないようにしている、ということがあります。
「自分が学生だったら、きっとこういうのが面白いだろうし」と思って授業をすると、学生の興味や理解度などとずれてしまう可能性が高いと思われるからです。そもそも、大学教員になっていることがめずらしいケースなわけですからね。
出身大学で授業するような場合は、そういう想定でもうまくいくかもしれないのですが、それでも、今の学生と自分の学生時代を比べたら、やっぱり違いますよね。
先日、授業見学をしてもらう前にインタビューをうけた際に、そういう話をしたので、ちょっと書いてみました。