学生はスマホでほぼほぼ事足りる パソコン使う文脈大事

急に短歌風なタイトルになった(笑)。

時々、話題になる、こういったニュース。

headlines.yahoo.co.jp

今年だと、うちのゼミ生の3人くらいはスマホで書いてましたね。文章入力はスマホでして、統合、編集はパソコンかタブレットでする、という感じでした。スマホのほうが断然入力が早いから、という理由ですね。最初はびっくりしましたが、だいぶ慣れました。

今年も、初年次教育(1年生対象)のグループプレゼンの授業(「言語と平和2」)を、パソコン教室でやっていたのですが、グループに分かれて調べ物をするときに、前にパソコンあるのにスマホで調べる、っていう学生がかなりいました。ほほう、と思いますね(苦笑)。基本はスマホ、なんですよね。

その一方で、京都外大の4号館のノートパソコンがあるカウンターは、貸出ノートパソコンがなくなったこともあり、常に満席。大学にいる間にパソコンで作業することは終わらせましょう、っていう学生が多いんだろうな、と思います。

同志社の教職の授業でもパソコン苦手な学生が多いみたいですが、最後の感想では「Excelを習えてすごくよかった」というものが多いんですよね。

生活ではスマホでほぼ事足りると思いますが(私は違うけど)、企業ではまだまだしばらくパソコン使うでしょうから、大学でパソコンを使う授業、特に文脈をかなり入れていかないと(普通のことはスマホでできちゃうので)、企業に入ってから大変、ということにはなるでしょうね。

その辺、大学人はちょっと意識しておく必要があるかな、と思いました。

原田まりるさんの「まいにち哲学」のトーク&サイン会に参加してきた件

原田まりるさん( @HaraDA_MariRU )の「まいにち哲学」のトーク&サイン会が大垣書店京都ヨドバシ店で開催される、ということで参加してきました。

 

「まいにち哲学」は既に購入していたのですが、今回のサイン会のためにもう1冊購入。 会場は満員で、いろんな層の方がきていました。原田まりるさんは、もともと風男塾というグループで男装アイドルをされていたので、その時からのファンと思われる方々、年配層で哲学の入門書を探していてヒットしたっぽい方々、これまでの著書で共感した感じの若い女性層、私くらいの中年男性もそれなりにいた感じでした。面白いですね。

 

まいにち哲学

まいにち哲学

 

「まいにち哲学」は総勢38名の哲学者の一節を、月ごとにテーマ(決断、や、自分、など)を決めて紹介し、解説されているものです。とても丁寧に書かれていてすごいな、と思います。また、装丁にもいろいろ工夫があって(カバー裏が一覧のカレンダーになっている)、こだわりも感じられます。

トーク会では、原田さんの執筆についての話、質問コーナーがありました。原田さんの実直さ、頭のよさが感じられるやりとりでした。司会者がいた方がよかったかもですね。まあ、書店のトーク会では難しいかな。

 

私は1冊目の「私の体を鞭打つ言葉」を本屋で見つけて買った際、「なんてそのままに生きているんだろう、大丈夫なのかな」と多少なりの危うさを感じつつ、読んだのを覚えています。ただ、若い女性(しかもアイドル)が心に抱えているものを少し垣間見た気がして、興味深かったのはたしかです。

 

私の体を鞭打つ言葉

私の体を鞭打つ言葉

 

 

その後、「ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。」が発売されて読んだときに、こんなのを書けるのか、すごいなぁ、と思ったのでした。「数学ガール」の哲学版だ、って思ったんですよね。ブログとかに感想書いてましたね(昨年の年始だけ読書記録をがんばったのだった(苦笑))。

 

munyon74.hatenablog.jp

 

 

 

どの本も、学生をはじめ、若い人に読んでもらいたいな、と思います。

今回、直接お話を聞く機会ができて、よかったです(なかなかタイミングが合わずで)。サインをいただくときに少しお願い事をしてきたので、裏目的は達成しました。常套手段です(笑)。編集の方ともtwitterでやりとりさせてもらいました。ふふふ。

 

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「日本語教育 オンラインワールドカフェ」にZoomで参加してみる

1/13の10時から、荻野さん@カンタベリー大学が主催する「日本語教育 オンラインワールドカフェ」に参加しました。

15カ国60名の参加でZoomでの遠隔イベントでした。日本語教育に関わっている方々が参加するイベントでしたが、私は教育工学の研究者としてお誘いいただきました。

「この時代、何のために日本語を教えているのか」をテーマに、自己紹介セッション(5名)、佐藤慎司さん@プリンストン大学のインスピレーショントークの後、3回のグループ議論(4名)を行いました。

Zoomで全体セッション、グループセッションを行いましたが、凄くスムーズでしたね。

グループセッションでは、インスピレーショントークを聞いての感想、「何のために日本語を教えているのか」ということについて議論しました。

議論を通して、国によっての日本語教育の環境や状況の違い、学習者のモチベーションなどの違い、などを感じながら、参加者自身の日本語教育のとらえ直しができたのかな、という感想を持ちました。

私自身としては、教育工学の知見をもっと知ってもらって活かしてもらうことが必要だな、と思いました。例えば、個人的にも遠隔教育の経験は20年近く前からあるわけですが、あまりアピールできてないですし、他にもいろんな教育実践研究が有効になるな、ということを改めて思いました。また、デジタルネイティブの説明やネットの変遷みたいな話は、ここでも有効なんだな、とも感じました。

自分自身の研究や教育に関するの知見を、異分野の方にどうやってアピールしていくのか、どうやって協調していろいろな研究、教育実践に取り組んでいくのか、ということを考えていかないといけないな、と思いました。これは40代後半の課題としたい、と思っています。

日本語教育については、京都外大でも関わっていますし、学外でもいろいろな方とお話する機会があるので、今後も連携していければいいな、と思います。

「選択的夫婦別姓」を実現するための訴訟について賛同しました

先日、Change.orgで、夫婦同姓・別姓を選べる「選択的夫婦別姓」を実現するための訴訟について賛同しました。

www.change.org

個人的な話になりますが、前のパートナーは、結婚したくない、という思想の持ち主でした。私は若い時に結婚したいと考えていたので、いろいろやりとりがありました。夫婦別姓や婚姻制度、他のことについてもいろいろ教えてもらいました。

30代になると、知り合いからは「結婚しないの?」と聞かれることが増え、いろいろ答えていたのですが、だんだん面倒になってきて「事実婚みたいなものです」と回答していたので、徐々に聞かれないようになっていきました。

今回の件だと「選択的夫婦別姓」ですから、自由度をあげるだけなので実現すればいい、と思うのですが、なかなかそうはいかない、というのが難しいところだな、と思います。とはいえ、私も昔は硬いマッチョな思想ではあったのですが。

結局、その相手とは別れることになったのですが、「選択的夫婦別姓」があれば結婚できていたか、と言われると、正直わかりません。ただ、自由度を高めることは重要だと思います。

「選択的夫婦別姓」が早く認められることを願っています。

あと、この件に限らず、自分の思想を他人(特に自分と直接関係ない人)に押しつける傾向が高くなっていると思うので、寛容な世の中になっていってほしいな、と思います。

大学進学における階層再生産と「のしあがり」

news.yahoo.co.jp

 

私は、ここでいう「第一世代」(両親が大卒ではない)学生です。1973年生まれ、1993年大学入学(1年浪人)なので、大学入学はもう25年前ですが、京大に入った時に、まわりの金持ち具合、世界の違いにびびったことを思い出します。とはいえ、それでも当時はまだ貧乏学生も一定数はいたよな、と思います。

この記事では、”親の所得が下位20%の低所得層出身の若者が、32-34歳になった時点で上位20%の高所得を稼ぐようになる”ことを階層上昇(のしあがり)と呼んでいます。私の場合、33歳くらいだと、どうかなと思います(大学教員として勤めはじめたのが28歳なので)が、今だとたぶんあてはまってるのかな、と思います。

ただ、今の時代だと、上位国立大学に入る親の学歴や年収が高い割合はどんどん増えて、こういう「のしあがり」できる確率は下がってるでしょうね。階層再生産が強化されているでしょうし。うちの大学でも、両親が大卒、という割合は増えていってるでしょうね。

その一方で、学費、生活費が大変で、バイトにあけくれる学生、というのも増えてきていると思います。

いつも思いますが、つくづく自分はラッキーだったな、と感じます。京都に来て、ずっと公立でいける大阪じゃなかったら、多分しんどかったな、と。今、いろいろな地方にいきますが、その大変さも感じます。

最近、生活保護の問題(基準の引き下げ)などもとりあげられていますが、もっと教育・学習を支援する世の中になっていくことを願います。

この記事の最後の文章には、本当に同意で、大学生の学力が落ちている、問題だ、みたいなことを言う人も結構いるのですが、世の中の半分以上は大学に行ってないわけで、有識者こそ、そのことを踏まえて、世の中をよくしていくことを考えないといけないのでは、と思います。

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だが、4年制大学への進学率が53%程度で、18歳のほぼ半数は大学に行かない現状を忘れてはならない(学校基本調査)。また、ここではとりあげなかったが、地方によって大学進学率にかなりのバラつきがあること、そして、一流大学の多くが大都市圏にあり、都市圏に住まない高校生が大きなハンデを負っていることも社会的に問題だ。

今後は女子学生比率だけではなく、大学生の「経済的多様性」や「出身地多様性」を無視していては、大学は階層固定(階級再生産)の手助けをしているとみなされかねない。こうした指標も同じように重視し、何らかの対策をとる必要にいずれ迫られるだろう。
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2018年もよろしくお願いします!

あけましておめでとうございます!2018年がはじまりました。

40代前半はあまりうまくできなかったことが多かったという反省があるので、この半年できちんと清算して、7月からの40代後半に向けてのステップにする1年にしたいと思います。

2018年もどうぞよろしくお願いします。

さえりさんに京都外大で授業してもらった件(17/12/6)

京都外国語大学「現代日本社会論2」で、ライターのさえりさん(@N908sa @saerigood)に来ていただき、授業していただきました。

 

私は以前からさえりさんのtwitterを読んでいて面白いな、と思っていて授業でも紹介していましたし、京都学園大学受験生応援サイトにさえりさんを起用していていいなぁ、と思っていました。それで、8月のイベントに参加してお話を聞き、ぜひ学生に話してもらいたいと思っていました。

www.kyotogakuen.ac.jp

www.kyotogakuen.ac.jp

今回、タイトルは、さえりさんから「働くのが”楽しい”大人もいる!」を提案していただきました。学生時代に働くことは楽しくない、と思っていたそうで、学生に将来が楽しくなるようなお話をしたい、ということでした。

授業は相談の結果、対談形式で行うことに。研究関係やイベントの司会は多数経験があるのですが、こういったトークイベント形式での司会はあまり経験がないので、最初はちょっと手探りでしたが、いい感じで進められたかな、と思います。今回は授業以外の学生、卒業生なども受け入れたので、171教室もいっぱいでした。

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最初は、自己紹介、最近やってきた仕事として、ライターとしての仕事、ストーリーづくりの仕事、エッセイストとしての仕事、その他、と分類して、そのページや動画を見ながらお話いただきました。

 

yorimichi.airdo.jp

www.kaiyukan.com

www.machikado-creative.jp

www.youtube.com

 

ライターの仕事は、企業から直接仕事を受けるケースは少なく、代理店や編プロ(編集プロダクション)からの依頼が多い、ということです。この辺、学生はあんまり知らないと思うので、なるほど、と思ったのではないかしら。

そして、今回の授業のポイントの1つだったお話。「文章を書く仕事に就きたいなら、文章を書くことが好き、自分を表現する事が好き、ではなく、”人に伝えることが好き、人のことを理解するのが得意”なことが大事」ということでした。これ、すごく重要な点ですよね。相手に伝える、人のことを理解する、ということは、いわゆるコミュニケーション能力、とも言えますし、京都外大生の特性を活かすこともできるのでは、と思いますし、ライターに限らず、いろんな仕事でも大事な点だな、と思いました。

私からは「ライターは、アーティストではなく、デザイナーである」ということで、アート(つくり手が表現する)、デザイン(そのものによって伝える)の違いを補足しました。デザインは、いろんな分野、仕事でも重要な観点なので、ぜひ学生にも意識してもらいたいですね。

ライターとしてはクライアントの要望を適切に理解し、その目的を果たすために文章を書く、ということになりますね。

その後、学生時代のお話をしていただきました。人のことが分かりたい、ということで心理学科に入り、大学3年生の時、縁あってFMラジオのパーソナリティをしたりすることを通して、意識高くなったそうですが、できないという実感との葛藤の結果、1年休学したそうです。そこから復学して、出版社に就職するも、考えがあわず退職。友人の紹介でLIGに入って、編集者やライターとしての経験を積んでいったとのこと。そこで、twitterなどのSNSで発信することを頑張ってやっていった結果、フォロワーが増えて、やりたいことをさらにやろう、ということで独立し、今の仕事をされているそうです。

もう1つ、大事だな、と思ったことは「やりたいことをきちんと言っておく」ということ。自分で言葉にしていないと、他人には伝わらないですよね。そうやって得た仕事もあったそうです。いくつか「そんな運がいいこと、あるんだな」という事象がありましたけど、それは普段から自分でチャンスをつかみにいってるから、そういうことになったんだろう、と思います。チャンスは勝手には来てくれないですものね。

 

 

さえりさんといえば、妄想ツイートが有名ですが、電車で通勤する時間に「妄想するぞー」と思って、考えてツイートされていたそうです。なぜ”綾野剛”なのか、という話もしていただきました。相手にどう伝わるのか、ということをすごく考えているんだな、ということを感じました。”共感力”が高いんですよね。メインターゲットを若い女性(10代、20代)と明確にされているのも重要だな、と思いました。

学生からの質問もたくさんあり、15分ほど延長して終了。その後も、学生からの個別の質問や写真撮影、サインなどにも1時間以上対応していただき、19時半まで。大変ありがたかったです。サインは、本や手帳だけじゃなく、iPhoneにも。あとで聞いたら、若者にはちょくちょくある、ということでした。すごいな(笑)。

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さえりさんは27歳ということで、少し年上、身近なロールモデル(職業自体は少し特殊ではありますが)として、学生にささるお話をしていただけたな、と思います。4年生からのコメントに「私は来年から○○として働きますが、「あいつに仕事を頼みたい」と思ってもらえるように頑張ります」というものがあって、すごくよかったな、と。

 

さえりさんには、 下記のようなツイートしてもらってました。来ていただき、ありがとうございました!

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