飛行機はオンラインチェックインできるように。でも、被災時にはホテルは直接行ったほうがいい。

北海道地震について、(たぶん)最後のブログです。

飛行機の振替や新しい予約をする際にネットでできるかどうか、チェックインも事前にオンラインでできるかどうか、というのは、大きな差になったのかな、と思います。特に9/7の新千歳空港では、振替やキャンセル待ち、チェックインカウンターはそれぞれすごい行列だったようです。

学会関係者のほとんどは、事前に振替で予約し、オンラインでチェックイン(JALだと、JALタッチ&ゴーサービスANAだとスキップサービス)していて、空港についたら保安検査場のみ通ればOK、という状況だったと思います。ここでだいぶ差ができてしまうように思いました。

9/7にニュースを見ていたら「とりあえず空港にやってきた」といった人も相当数いたようです。チェックインやキャンセル待ちで長蛇の列にならんで体力を消耗した方も多かったと思いますし、その方々の一部が飛行機にのれず、空港で泊まることになったのかな、と思います。

ぜひ、みなさん、自動チェックイン、オンラインチェックインができるように、チェックしてみてほしいな、と思います。個人的には、どうすればもっと普及するのか、考えてみたいと思いました。ちょっと難しい感じがするのかな。

新幹線もEX-ICとか使えるようになったほうが絶対便利なので、ぜひ使ってほしいですね。

expy.jp

対して、ホテルについては、今回のような状況の場合、延泊できるかどうか、というのはホテルによって対応が違いましたね。受け入れのキャンセルがどのくらいでるか把握できないこともあり、延泊を断っているところもかなりありました。

ネットで予約(楽天トラベルなど、ホテル以外の予約サービス)をすると、ホテル側が対応できないケースもあり(外部サービスでキャンセルとか即座に把握できない、など)、大変だったようです。こういう場合は、ホテルと直接交渉したほうがいいですね。できれば直接出向く、無理ならば電話、の順番で交渉したほうが確率が上がるのかな、と思いました。

状況によってやるべきことは変わりますから、なかなか難しいことも多いですが、今回の記録と個人的な感想として書いておきます。

 

北海道地震に被災して、どのように過ごし、帰宅を考えたか

9/6の3時8分に北海道地震があり、停電しました。9/6は全国大会3日目。停電の中、どう過ごすか、帰宅をどうするか、という問題がありました。

私は、9/6の午後に函館に移動し、9/7-9までJSET国際ワークショップに参加予定で、9/9に函館から伊丹に帰る予定でした。ここが他の方と状況が違ったのですが、どういうふうに考えていたのか、ということを書いておこうかな、と思います。他の人と重視することが違うのだな、ということも如実に感じて興味深かったです。私が独身だということも大きな要因だと思いますし、あくまで個人的な考え方で、いい悪いではないという点はご了解ください。

私は、地震が起こり、停電したということで

・できるだけ体力を温存しながら、状況を判断して、無理のないように行動すること

・できるだけ安全面、体力面でリスクの少ない、確率の高い選択をすること

ということを心がけました。これは普段から「できるだけリスクを少なくして、リターンを得る」ことを重視しているからだな、と思います。

9/6の午前は日が昇ってしばらくしてからコンビニに買い物にいったのと、避難所を確認に行ったくらいで、できるだけ横になって過ごしました。昼になって携帯がつながらなくなり、本を読むのと寝ることを繰り返していました。

 

帰る選択肢としてはいくつかあったわけですが、

・飛行機を予約する

・車(バス、タクシー)で移動する

 →フェリーにのって北海道を出る

 →函館から新幹線を使う

という可能性があったのかな、と思います。

 

問題は、いつ復旧するか、という判断だったと思います。9/6は飛行機は欠航、9/7はいつから飛ぶようになるか不明、車は信号が戻るまではバスなどは動かない、新幹線も復旧見込みが未定、という状況でした。

私は、9/9の午後の函館ー伊丹の飛行機を予約していたので、函館までいければいいので、9/9の丘珠ー函館の飛行機を予約しました。9/6の夕方に見た時に1席あいていました。丘珠空港の存在は、話をする中で倉山さん@函館高専から教えてもらえて、ラッキーでした。これで最低ラインは帰れるので、9/8に新千歳ー伊丹をとるかどうか、を考えたのですが(とることはできた)、関西での仕事は特になかったので、9/8は札幌で休んで、9/9に帰る、という判断にしました。

バスで函館、その後新幹線、という選択肢の場合は、函館まで行けて新幹線が動かない場合、ホテルをとれるかどうか不明、というリスクがあったので、選びませんでした。

もし、9/7-9/9の出張予定がなかった場合、9/7に仕事があったらそれはあきらめる、9/8に仕事があった場合だけ迷ったと思いますが多分あきらめたかな、と思います。もし、飛行機を予約する場合、欠航のリスクを避けるためにできるだけ時間の遅い飛行機を予約する、という選択肢をとっただろうと思います。

これは私が行動を考える時に「できるだけ動かない」ということを重視しているからなんだなと思いました。対して「できるだけ早く動く」ということを重視している人も多くいて、松河くん@東北大や時任くん@関西学院大などはそういうタイプなんだな、と思いました。瞬発力が強いタイプですね。私は持久力重視だもんな、と思いました。こういうところで行動規範の違いが明らかになったのは興味深かったです。どちらがいい、という問題ではなく、状況に応じてどう選択するか、が重要ですね。

 

松河くん@東北大がFacebookに「私は常にalternativeを追い求めてしまうたちなのであるが、今回むーにょん先生に色々助けていただく中で学んだのは、状況を把握しつつ「待つ」というalternative。あえて何もしないで待つというのは戦国時代の策士も使った実は高度な戦略なわけです。」と書いてくれました。天才な松河くんに認めてもらえて、大変満足です(笑)。

私もいろんな選択肢を考えて、その上でいいものを選べるようにしていきたいと思います。

 

【〆切間近!】9/29 JSET(日本教育工学会)ワカモノ達の大宴会2018@仙台

今年も日本教育工学会(JSET)ワカモノ達の大宴会が開催されます。

9/29(土)21:00からです。

〆切が9/14ということですので、お早めにお申し込みください。

私もワカモノじゃないですが、参加します。

自称であればOKなので、最近JSETに参加し始めた方なども、ぜひご参加ください。

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東京大学の山本良太です。
今年度の日本教育工学会ワカモノ飲み会の幹事代表を務めさせていただいております。

今年度のワカモノ飲み会の締切が迫ってまいりました。
締切は【9/14まで】です。延長は基本的にありませんので、まだ申し込みを済まされていない方は、急ぎ登録ください。
申し込みは以下のサイトよりお願いいたします。
http://labs.m-mode.net/jset_wkmn/

今年度のワカモノ飲み会では、以下のような新しいイベントを企画しています。
飲み会で同じテーブルになった人同士で、自分を出発点に関係する研究者や研究テーマをネットワーク的につなげていき,最終的に同じテーブルの人がみんなつながった数珠つなぎマップを作ります。参加者の方々の手で可視化されたJSETコミュニティの中でご自身が位置づいていることを確認しつつ、同じテーブルの方々とのコミュニケーションの種となれば幸いです。

以下、詳細。
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■日時
9月29日(土)【大会2日目】
開場(受付開始)20:30 開始21:00(23:00終了)

■場所
宮城郷土料理 よいしょ(酔所)https://www.hotpepper.jp/strJ001178945/
宮城県仙台市青葉区一番町4-2-13 エビスヤビル3F
地下鉄東西線青葉通一番町駅より徒歩5分
南北線広瀬通駅より徒歩3分

■会費
社会人 3000円 学生 2000円

■ウェブサイト
http://labs.m-mode.net/jset_wkmn/

■申し込み方法
ウェブサイト右下「申込みフォーム」からお申し込みください

■参加資格
自称ワカモノ!であればOKです。 教育工学会がはじめてで知り合いがいない、
という方もご参加下さいませ。 知り合いがぐんと増えますよ!
なお、ワカモノの大宴会は有志のボランティアによって運営されています。
不手際などあるかと思いますが、ご理解いただければ幸いです。

Facebook にて過去の模様や最新情報を発信中!
https://www.facebook.com/JSETwakamono

■幹事団
幹事代表:山本良太(東京大学
副幹事:仲谷佳恵(東京大学
会計:香西佳美(京都大学),澁川幸加(京都大学
受付:長濱澄(早稲田大学),嶋田みのり(東北学院大学),池田めぐみ東京大学
総務:遠海友紀(東北学院大学
企画:杉山昂平(東京大学
Web管理:伏木田稚子(首都大学東京

■お問い合わせ
jsetwakamono[atmark]gmail.com
※[atmark]を@に変えてください。

北海道地震に被災して、自分がやるべきだと考えたこと

9/6(木)午前3時8分に、北海道で大きな地震がありました。私は第43回教育システム情報学会全国大会@北星学園大学に参加のため、札幌のホテルに泊まっていて被災しました。

今回、北海道地震に被災して、自分がやるべきだと考えたことは、下記の3点。

1)ニュースやSNSで信頼できる情報を収集し、整理した上で発信すること

2)人と人とをつなぐハブになること

3)等身大の形で状況を報告して、率直な気持ちを書き、感謝の気持ちをもつこと

この3点が、私の特性を活かしてできることだろう、と考えました。

 

1)は、ニュースの情報に加え、Facebookなどで知り合いが書いている情報を収集して整理すること、が大事かな、と考えていました。集約していれば「村上のところを見れば、情報が集まっているっぽい」ということになり、役に立つだろうな、と。ラッキーにも、私の泊まっているホテルは9/6の夕方に電気が復旧したので、そこからはNHKのニュースを中心に必要な情報を集め、書き出すようにしました。9/7の交通情報などはそうですね。

www.facebook.com

2)は、人と人とをつなぐハブになる、ということです。今回は後輩の豊浦くん@山梨大が一緒で、いろいろ頼りにしていたのですが、ホテルを探して松河くん@大阪大と同室で確保してくれました。結局不要になりましたが、他の人の分も確保してくれていました。

あとラッキーにも、他のホテルよりも早く電気が復旧したので、私の部屋でスマホを充電したり、テレビを見たりしてもらえるようにしました。

9/7には新千歳空港にタクシーでいくしかない、ということで、希望者をつのって、知らない人同士で同乗してもらいました。別の1人は、知り合いが乗ってるタクシーに乗せてもらいました。知り合いが多いので、こういう形で人と人とつなげて役に立てばいいな、と思いました。

3)は、いつも意識していることですが、等身大の形で状況を伝えること。普段から、大学教員も日常はこんな感じなのね、ということをわかってほしい、と思って書いているので、それは変えないということです。9/6には、ずっとピーってなってうるさいとか、スタッフのアナウンスがてんぱってる、とか、急にみんなホテルに来た、とか、そんなたわいもないことをちょくちょく書くことで、リアルな感じがするかな、と思ってました。

今回、いちばん”いいね!”があったのは、9/8のお昼に「ペヤングからしMAXやきそば」を食べてむせた、という投稿です(笑)。もちろん最初は何もねらってなかったのですが、本気でむせたので、おもしろいかな、と。

www.facebook.com

 

そして、率直な気持ちを書くこと、感謝の気持ちをもつこと。特に1日のまとめみたいなところでは大事だと思い、それをしっかり伝えることを意識しました。

 

 

実際にどのくらい他人の役に立ったかは分かりませんが、こういう作業をすることで、自分の気持ちも落ち着かせていたのかな、と思います。

第43回JSiSE全国大会@北星学園大学2日目

9/5が、第43回JSiSE全国大会@北星学園大学2日目。9/11に書いております。すっかり前のことのような気がします(苦笑)。

会場に向かう途中、昨夜の台風の影響で道に木が倒れていたり、グラウンドにも木が倒れていたりしました。すごかったんですね。

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午前は企画セッション「医療・看護・福祉領域におけるICT等活用教育」に参加。認知症関連の話は、自分の母親のことを思い出しながら聞きました。企業ブースを見て回り、11時半から医療系eラーニング全国交流会(JMeL)の世話人会。12/8、9の研究会の打ち合わせなど。

その後、大会企画パネル「産学連携からみた教育・学習支援システム研究の今と5年後10年後」。産学連携といっても、教育産業と公教育との違いなど、いろいろ考えることがありました。これについては改めて書きます。

インタラクティブセッションを見たり、研究者仲間と話をしたり。

「企画セッション/ラーニング・アナリティクス(LA)の先進事例と課題」。連名で、豊浦くん@山梨大が「あいまいさを含む授業状況の可視化とウェブブラウザ上での映像探索支援」で発表してくれました。内容もわかりやすく、さすがでした。終わってから、学生じゃなく、自分で話すと楽ですね、みたいな話を(笑)。

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白鳥さん@嘉悦大の「中退予備状態から変化する学生のモデル化」がすごく面白かったです。初めて聞いたのですが、プレゼンも個性あふれてよかったです。

懇親会。北海道、札幌ならではのおいしい料理やお酒がたくさん出て、人数も多かったのに、ご飯がなくなることはありませんでした。すばらしい。いろんな人と話をしたり、つなげたりして過ごしました。倉山さん@函館高専が司会、現地実行委員長の金子さん@北星学園大の挨拶のときは、それはそれは盛り上がりました(笑)。

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2次会は40代飲み。30代は別会場(笑)。もりあがりました。そして、3次会へ。8名で2時まで飲んでおりました。このときはまさか1時間後に地震が来るとは予想もしてなかったわけですが。

 

第43回JSiSE全国大会@北星学園大学 1日目で「採択される科研費申請書の書き方」に登壇する

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午前はプレカンファレンス。前半の「教育・学習支援システム若手研究者としてのモチベーションと研究アプローチ」では、林くん@大阪府大、山元くん@近畿大が司会で、柏原先生@電通大、小尻さん@関西大、米谷くん@香川大、田和辻くん@早稲田大が、研究のモチベーションと研究アプローチについて紹介。

柏原先生の”人の学びに貢献したい”、”テーマや問題について分かりたい”をベースにした研究へのモチベーションや関心の持ち方は、すごく共感したし、参考になりました。柏原先生も角所先生と同様に、私の10年後の目標イメージです。

小尻さん@関西大は、研究に対するモチベーションはすごく素直で純粋なものだな、と思います。私とは違うタイプということもあって、ある意味うらやましいです。まあ、ないものねだり、なんですけどね。

米谷くん@香川大、田和辻くん@早稲田大の話、全体ディスカッションも興味深い内容でした。

後半の「採択される科研費申請書の書き方」では、瀬田さん@大阪府立大が、科研費申請支援制度について説明され、3名が科研費申請書の書き方について説明しました。光原さん@徳島大は研究と同様、キャッチーなプレゼンでした。さすがでした。どうやったらあんな発想が出てくるんだろう。うらやましい。

私のあと、仲林先生@千葉工大がご自身の申請書を使いながら、書き方のポイントを明快に説明されました。こちらもさすがでした。

私の方は「科研の審査の仕組みを理解しよう」「審査員の立場になって考えてみよう」という2つの目標をもとに5つのポイントについて説明しました。

・過去の採択課題を知ろう!
・採択された人の申請書を読もう!
・審査員を知ろう!
・審査基準に合わせて書こう!
・第三者に申請書を読んでもらおう!

基本的に、査読論文を書くときと同じような戦略なのですが、わりとやっていない人が多い、ということが分かり、下世話ながら具体的な話をしました。募集要項や審査の手引きなど読んでみるといいですよ。

少しでも役に立ったのであれば幸いです。また、スライドは共有されますので、そちらも参考にしてください。

昼食、全体会、仲林会長の基調講演、企業セッションと続き、インタラクティブセッション、一般セッションでは、教育データ分析やVR/ARの話を中心に聞きまわりました。

飲み会では、14名で楽しく盛り上がりました。

「万引き家族」で考える家族のキズナ

少し前になりますが、映画「万引き家族」を観ました。普段、あまり映画を観ないのですが、これは観てみたいな、と。

gaga.ne.jp

 

第71回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞する、など、公開前からいろいろ話題ではありましたが、実際に観てみると、生々しい日常生活の中に、登場人物の不器用な優しさが随所にみえ、なんとも言えない気持ちになりました。

出てくる家族6人は、誰1人として血がつながっていないわけですが、その分、別のつながりがあり、それは社会に対しての反発?不適応?によるもので、それもまたある意味のもやもや感がありました。血のつながっている家族とは一体何が違うのだろうか、と考えさせられました。また、登場人物それぞれにも物語があり、さまざまな要因があるので、とても複雑なお話だな、と思いました。りんはどちらのほうが幸せだったんだろう、、、と思っちゃいます。

役者陣の演技もみんなよくて、特に最後の信代(安藤サクラ)と女刑事(池脇千鶴)のやりとりは圧巻だったな、と思います。

映画だけでは6人の関係がよくわからない部分があったのですが、それはノベライズ小説のほうで説明がありました。映画を見てから小説を読むと、作品をより味わえるような気がします。 

万引き家族【映画小説化作品】

万引き家族【映画小説化作品】

 

小説を読んで、いくつもいい表現があるのですが、特にささったのがこの2つ。

「自分で選んだほうが、キズナは強いのだ。信代は本当にそう思っていた。」(p.197)

「一度でいいから、「ママ」と呼んでもらうんだった。信代は、そう思った。」(p.253)

この文章で書いてあることは、思い返せば映像からも感じ取れたな、と思います。すごいことですよね。 そして、地の文で読んでも、強いことばだな、と感じます。

 

この評論が個人的にすごく共感しました。家族固有の機能などを使いつつ、説明されていて、なるほど、と思いました。

gendai.ismedia.jp

特に”正確にいえば、「盗んだのは、絆でした」よりも「拾ったのは、絆でした」となるだろう。”というところは、そうだなぁ、と思いました。信代もそう思ってたんだしな、と。

家族のキズナ、というのは、いったいなんなのか、どうやって形成されていくのか、いろいろ考える機会になりました。って、答えってまったくないですけどね。難しいね。

また、もう1度観てみたい映画です。