第25回大学教育研究フォーラム 企画セッション「教員・学生の学びと成長を考える ―その組織的・個人的実践に向けて―」

京都大学高等教育研究開発推進センター主催の第25回大学教育研究フォーラムです。午前の一般発表が2日間とも15パラ、ポスターセッションが118件、と、とてつもなく発表数が増えてますね。。。大学のセンターがやっていますので、本当に運営は大変だと思います。お疲れ様です。

午前は一般発表。初年次教育、ライティング系のセッションに参加。昼食は企画セッションの打ち合わせ。午後、ポスターセッション。

企画セッション「教員・学生の学びと成長を考える ―その組織的・個人的実践に向けて―」。総括コメントとして、4人の発表者の内容についてコメントして、今後の発展をふくめて15分でまとめる、というなかなかの指令をいただきました。

畑野くん@大阪府立大の趣旨説明。学生の成長・学びに加えて、教員の成長・学びに着目すること、そして、教員と学生とのインタラクションを通した学びを含めた枠組みを提示して、授業の中での成長、授業を超えた成長について考えていく、ということでした。

大山さん@大阪大学「持続可能な教授活動の改善を目指した大学教員の省察」。大学教員における省察の重要性、教育活動における個別の文脈の重要性について話をした上で、省察の枠組み・ステップを示し、実践例を紹介してくれました。教員が学生が理解していないことを理解できた点や、短期的な課題(技術)と長期的な課題(研究との関わり)の発見などが成果としてあげられていました。

畑野くん@大阪府立大「学生の主体的な学修態度の形成と促進に関する実証的研究」。主体的な学修”を学修時間(量)と主体的な学修態度(質)に分け、“主体的な学修”を評価する尺度を開発し、枠組みを構築したこと、要因の関係性について分析した内容について話してくれました。

舘野くん@立教大「リーダーシップ教育を実施する主体に求められるリーダーシップ」。立教大学における初年次教育でのリーダーシップ教育(BLP)において、理論に基づいて組織的にできるように設計、実践しているお話をしてくれました。教員・学生スタッフのメタ経験学習型リーダーシップ教育を行っていることになり、授業やスタッフ活動を通して、学生コミュニティが形成されていることが紹介されました。

伏木田さん「ゼミナールは、誰にとっての学びの場なのか -教員と学生が探究することの価値」。学生・教員にとっての魅力的なゼミナールの要因を検討しており、学生がどのような意識でゼミを選択し、学んでいるのか、教員によるゼミのデザインが学生に与える影響、などについて説明されました。”自由な試行錯誤と繰り返しの葛藤”というのが印象的でした。

あと、私のゼミ生がうちを選んだ理由もわかった気がしました(笑)。ちゃんとあってる先生を選んでるよね。

話を聞きながらがんばってまとめました。総括として、個別にコメントした上で、今後の展開として
・教員-学生のインタラクションによる学び・成長(成長による相互への影響)
・組織としての成長・学び
・研究成果の日常的な実践への活用
に着目するといいのかな、という話でまとめました。

30代の4名の研究の話を聞いて、とても楽しかったですし、刺激を受けました。私も4月からしっかり研究していきたい、と思いました。京都外大の教員として、対外的には最後の仕事となったので、この仕事で終われてよかったですし、誘ってもらえて本当によかったな、と思います。

今回使った”センスのいい扇子”ですが、先日購入した、京都外大の扇子なのです。もっと前から知ってたらもっと使ってたのになぁ。

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私も、京都外国語大学を卒業しました。

昨日の京都外国語大学の卒業式で、17年間勤めた京都外大への最後の出勤日となり、私にとっても卒業式となった日でした。退勤時には、各部署にご挨拶させていただきました。

2002年に就職した際、学内外の先生から「5年は勤めてね」という感じのことを言われていたのですが、居心地もよく、17年勤務することになりました。教える環境としてよかったことに加え、5年で准教授に昇進できたこと、なにより2008年からゼミを担当するようになったのが、大きな要因になったな、と思います。

ゼミを担当したことは、私の心の拠り所になりました。ゼミには留年生や卒業の危うい学生も多く、話すのが苦手だったりする学生も多かったのですが、そういう学生が自分の興味あることを調べて発表してくれるようになっていく姿を見るのが楽しくもありました。ゼミがなかったら、もっと早く異動していたんじゃないかな、と思います。

マルチメディア教育研究センター(2003年~2017年)をはじめ、FD委員長や教育関係の競争的資金関係(特色GP、現代GP、APなど)など、いろいろな仕事もさせていただきました。教養教育の教員はもちろん、語学科の教員、いろいろな部署の職員さんとも一緒に仕事ができて、とてもいい経験になったと思います。

国立大理系の大学院生から、理系というレベルで私1名しかいない私立文系大学に就職して、最初はとまどうことばかりだったのですが、教職員のみなさんに助けていただきましたし、なにより学生が純粋で真面目ないい学生ばかりだったので、授業が楽しかったのも、ありがたかったです。

正直、大学を異動することについては、以前からの悩みでもありました。周りからは「異動しないの?」と聞かれることもありましたし、研究者としてどう生きていくかという悩みはありました。対して、家庭の事情もありましたし、異動したら大学に迷惑をかけることになるのでは、という気持ちもありました。自分自身が保守的で執着心が強いタイプでもあるので、なかなか決断できなかったのですが、現状を踏まえた結果、今回縁あって異動することになりました。

教授会の挨拶でもお話したのですが、京都外大の学生や卒業生のみなさんには、京都外大を卒業したことに誇りを持ってほしい、ということを機会あるごとに言ってきました。私も京都外大で勤めてきたことの誇りを胸にして、これからの大学教員人生を歩んでいきたいと思います。

 

卒業式

今日は京都外国語大学の卒業式でした。

毎年のことになりますが、ゼミの運営については、うまくできなかったこと、十分に指導できないこともありました。みんなをもっと勉強させないといけなかったな、と反省しつつ(苦笑)、ゼミ、楽しく過ごしました。あと、卒業式に、卒業生が来ていて、久しぶりに会うこともできました。元気そうで何より。

毎年のことですが、京都外大を卒業するみなさんへ。

みなさんは、これからさまざまな場で活動することになります。大学で学んだことが(直接ではないかもしれませんが)必ず役に立ちます。

そして、「みなさんは、これからも一生学び続ける」必要があります。大学では”学ぶための力”を身につけてきたと思います。いろんな人、いろんなことから、学ぶことを続けてほしい、そう願っています。

いつも言っていることなのですが、京都外大に在籍していること、卒業したことに誇りを持ってほしいと思います。うちはいい大学ですからね。

今年は私も一緒に京都外大を卒業することになりました。お互い、新天地でがんばっていきましょう。

改めまして、卒業おめでとうございます。

吉藤オリィさんにインタビューしてきました。

CIEC(コンピュータ利用教育学会)の編集委員として、編集委員長の横川さん@神戸大と一緒に、吉藤オリィさんにインタビューをしてきました。

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オリィさんとは、3年前に京都外大で開催された国際会議ICoME2016に参加していただいた際にご挨拶させていただいていました。岸さん@明治大、森田さん@早稲田大との共同研究の発表があったからですよね。

田町にあるオリィ研究所に。かっこいい。オリィ研究所は、”孤独化の要因となる「移動」「対話」「役割」などの課題をテクノロジーで解決し、これからの時代の新たな「社会参加」を実現します。”とあります。

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Orihimeは、遠隔操作でありながら「その場にいる」感覚を共有できる分身ロボットとして開発され、ALS患者や身体障害者の方などがコミュニケーションや仕事をするために活用されています。

オリィさんが渋滞に巻き込まれているということで、最初の20分ほどは、Orihimeを使ってのインタビュー。私からは「サイボーグ革命」を読んでの質問などをさせていただきました。インタビューを通して、遠隔コミュニケーションのあり方、なども体験しました。うなずき、あいずち、ちょっとした視線など、ロボットでどのように表現するか、というのは興味深いところですね。最近は、遠隔系の研究をしていないのですが、またしてみてもいいかも。

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到着されて、対面になってからは、改めてオリィさんの頭の回転の速さを感じながらのインタビューとなりました。質問に対する回答はもちろん、明るい未来に向けた考えなど、とても興味深いものでした。

大学教員としては、教育が提供できることや可能性を再考する機会となりました。学生に興味や関心をどうやってもってもらうか、明るい未来を提示できるか。そして、自分自身が若い人から学ぶ姿勢でいれるか、学び続ける気持ちを持てるのか、ということを考えました。先日のFDフォーラムのシンポジウムと関連しますが、人生100年時代にどのように学んでいくのか、考えていきたいです。

6月に発行される論文誌にインタビューが掲載される予定なので、その時にまた紹介させていただきます。

 

サイボーグ時代 ~リアルとネットが融合する世界でやりたいことを実現する人生の戦略~

サイボーグ時代 ~リアルとネットが融合する世界でやりたいことを実現する人生の戦略~

 

 

舞台 T-works「THE Negotiation」@HEP FIVEを観てきました

松井さん@京都外大にお誘いいただき、T-works「THE Negotiation」@HEP FIVEを観てきました。

t-works-works.com

T-worksは、”女優・丹下真寿美とプロデューサー・松井康人により結成されたプロデュースユニット。関西を拠点として活動している丹下真寿美の魅力を全国に発信するべく、年齢・拠点を問わず、ハイレベルな脚本家、演出家、俳優を集い、高水準の舞台製作を目指す。”で、今回が2作目とのことでした。

ホテルで行われる4名での商談が、いろいろな思惑が交錯しながら、おもしろおかしく進んでいく、というお話でした。

村角さんの脚本もよくできていましたし、俳優のみなさんの演技もすばらしかったので、思わずくすっとなったり、ひきこまれたりして、舞台ってすごいな、と改めて思いました。

新しい仕事では、交渉(ネゴシエーション)が増えると思うので、参考にしたいと思います、なんてね(笑)。

丹下真寿美さんは初めてで、役柄的にキリッとしたかっこいい女性な印象でしたが、終わってから少しお話したら、かわいい感じでもありました。

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ボブ・マーサム(村角大洋)さんは、舞台では3回目でしたが、昨年の「大田王」のときにはまってしまい、私にとっては、もはや何しても面白いです(笑)。今日もホテルマンとしての演技と口調で何回も笑ってしまいました。

ミーハーに写真とパンフレットにサインをもらいました。

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プロデューサーの松井康人さんの挨拶に「今回もなかなか大人な楽しい座組ができたのではないかと自画自賛しています。」「これからも「待っていたのではご一緒することはたぶんないだろうという方々と丹下真寿美をマッチングして新しい世界を体験する」というコンセプトのもと」とありました。とありました。シンポジウムなどの企画の際にも座組をかなり意識しているのですが、こういうところでの感覚も参考になるな、と思いました。もちろん、座組という言葉は、舞台のほうが本流なわけですが。

東京では、3/13-17にあるそうです。舞台に興味ある方があれば、ぜひ。

また、舞台など、ライブなものを観にいきたいと思います。

 

12年半住んだマンションから引っ越しました

2/24に12年半住んだマンションをあとにしてきました。まずは引っ越しの記録を。

年末に見積もりしてもらって引っ越し業者をアート引越センターに決め、スケジュールの確定。出す日と受ける日が2日あく、ということで、2/23、25ということに(最初は、2/25、27にしたのだけど、2月契約満了だと25までに出ないといけないことが分かり、変更に)。

www.the0123.com

2月から、ちまちま荷造り。小説やDVD、食器などはこれを機にほぼ処分。買取王子などにどんどん送りました。食器はセカンドライフに寄付。

www.kaitoriouji.jp

www.ehaiki.jp

最後の1週間は出張も多くて間に合わないかもと思ったので、とりあえずどんどん段ボールにいれる感じになりました。

2/23の午前中に荷物の搬出。作業員は3人。2トントラックで一杯くらいの荷物。家電(テレビ、冷蔵庫、プリンタなど)は梱包してくれるので、なにもしなくてよかったです。4階でエレベーターなし、なので、大変そうでしたが、作業は順調。

夕方に廃棄物を業者「京都片付け110番」に処理してもらいました。最初は、洗濯機、本棚、机、テレビ台といくらかくらいかと思っていたのですが、整理していくとこれもいらない、あれも捨てないと、みたいな感じでで思ったより多くなってしまいました。。。頼んでいた軽トラックに乗るかどうか微妙でしたが、なんとかなりました。こまめに捨てておかないとだめだな、と改めて思う次第です。しかし、こちらはいろいろなものを全部まとめて捨ててくれるということで、助かりました。

kyoto-kataduke110ban.com

12年も住んでいると、荷物も格段に増えていたり、古くなっていたりしますね。だいぶ捨てたつもりですが、まだまだ整理しないとな、と思います。あと、今度の家では、もっときれいに使わないとな、、、。

 

村田沙耶香「消滅世界」

消滅世界 (河出文庫)

消滅世界 (河出文庫)

 

知り合いに薦められて、地方入試の際に読んでみました。村田沙耶香は「コンビニ人間」を読んで、”すごくおもしろい、でも、こわい”と思ってましたけど、この作品を読んで、本当にただただこわい、おそろしい、という感想でした。

セックスが古いものとなり、夫婦(家族)とはセックスしない、夫婦以外に恋人をもつ。人ではなく、二次元も愛の対象。結婚や家族という概念が徐々になくなっていく、という世界の話。

SFではあるけど、実際にありえない、とは言い切れない話で、恋愛や結婚、家族というものを考えさせられつつ、背中がちょっと寒い感じになりながら、ページをめくりました。

また、村田沙耶香、読んでみようかと思います。