ユペチカ・西森マリー「サトコとナダ」第4巻

第4巻で最終巻。

サトコとナダ 4 (星海社COMICS)

サトコとナダ 4 (星海社COMICS)

 

日本出身のサトコとサウジアラビア出身のナダが、アメリカ留学でのルームシェアを通して交流していくお話。イスラム教というと、つい怖いイメージを持ってしまいますが、このように一緒に生活を経験していけば、イメージとは違う意外なところや身近なところが感じられる、ということなんだな、と思います。

これは宗教に限らず、他の文化でも似たようなことがありますよね。例えばLGBTだったり、身体障がい者だったり、芸能人だったり、大学教員だったり。最初は、なんとなくの全体的なイメージだけで捉えて、接してしまうかもしれません。でも、個人を知ることで、その人がもつ文化を知ることができたり、その人自身を深く知ることができたりするのかな、と思います。

なんとなくのイメージだけで判断しないようにしていく必要があるな、と思いました。そして、いろいろな人と関わっていくことも大事ですよね。

この巻の途中で、アメリカ留学で苦い経験をしたマチコという女の子がでてきます。憧れを持って留学したけれど、大変なことが多くてしんどかった、ムスリムの人たちを怖いと偏見をもっていた、と。サトコがまた留学するチャンスがあるよ、ということを伝えるのですが、とてもいいシーンだな、と思いました。憧れをもってやってみたけど失敗することはあります。その後、その失敗を活かせるか、乗り越えられるか、が大事だなということだと思いました。難しいですけどね。

学生にも広く読んでほしいまんがです。